小さな革工房物語 2020.08

「東京都心では35度を超える日が観測史上最多となりました」というニュースを聴いてずっと工房に引きこもっていたのでピンとこなかったのですよ。自転車通勤の朝と夜だけは季節が過ぎていくのを見守っています。トンボの姿やコオロギの虫の音に少しずつ季節の変わり目を感じております。 8月は7月の忙しを引きずりつつ、少しずつ日常に戻ってきたようなそうでないような。

(今月の大物)紙袋のような革袋のデザインをもとにフルオーダーのハイパー・ウルトラ・マグナム級のバッグです。 私史上、最大級の圧巻の大きさです!

A4ヨコタイプと比較してもこの大きさです。幅80センチ、高さ40センチ、奥行き22センチというエキストララージが4台分、豚革4.5枚使用しました。 2台の本体を合体させるときはミシンが入らないので手縫いで仕立てるという修行のようでした。

バッグの用途は秘密ですがきっとスナイパーな職業の方かもしれませんね。

(今月のフルオーダー)

色の切り替えしがさりげなくまとまったカードケースはご来店でのオーダーです。

こちらもご来店でのオーダー。 ベルトに通して使うタイプのスマホケースです。 マットな質感の牛革はデニムとの相性バッチリ。

栃木レザーのボルドーが大人っぽい手帳型のスマホケース。以前ネイビーでのオーダーに続いてのバースデーギフトとのことです。

(今月の思いつき)

豚革のレジ袋のような革袋 。紙袋用の豚革でいつか作ってみようと企んでいたのですが勢いで製作してみました。 くしゃくしゃと揉み込んだ風合いがまた別の表情となって新鮮です。 ほぼ、自分が持ってみたくて作ってみたのです。

(今月のセミオーダー)

台本カバー 。9月にかけてもご注文が続いております。 革色の組み合わせが変わると全然違う仕上がりに。毎回その仕上がりを作りながら楽しんでいます。

絵コンテパッドのステッチカラー変更のセミオーダーです。

紙袋のような革袋のセミオーダー 。持ち手を肩掛けタイプへのカスタマイズです。

ギザギザカットのカルディの袋に近いサイズ感。

B5タテのブラックのご注文でした。9月からはこちらのブラックをガンガン製作していきます。お楽しみに!

こちらはもう何年もご愛用頂いている方からの持ち手のメンテナンスのご依頼です。持ち手の根元部分がちぎれてしまいました。

新たに持ち手を交換してタッチアップとプレスを施し、リフレッシュしました。

こちらのバックパックは染め直しでのメンテナンスです。深い焦げ茶とあめ色に育ったヌメ革のコントラストは他にはない色の組み合わせですね。

定期的なメンテナンスをご依頼の方よりシューケアです。いつもありがとうございます。

8月15日で受注予約を締め切ったエキストララージに代わって今月リリースされたのはワイルドタイプ・B4ヨコ。早くもじわじわとご注文いただいております。短い持ち手がバッグとのバランス良くてイチオシです。

紙袋のようなワンショルダーは6月にリリース後にすぐに完売となってしまいましたが、ようやく在庫をアップできました。 お待ちの皆様には早速のご注文ありがとうございました。

バージョン2は本体正面に付いていたショップロゴのタグを別にしました。

くるくると巻いた部分を伸ばすとA4タテほどのサイズ感ですが、奥に写っているのはA4ヨコタイプのセミオーダーです。

8月末、今日もご来店のお客様からワークショップのご相談がありました。 コロナ禍ではなかなかイベントとしてのワークショップの開催は難しいところではありますが プライベートワークショップは続けていく予定です。 大学生の彼は通学もなくリモートでのオンライン授業が中心ということで時間がとれるならと興味のあったレザークラフトのワークショップのご相談でした。 小中学生向けのワークショップはやってきましたが 高校生や大学生の学生の皆さんにもぜひレザークラフトを楽しんでもらえたらと。

私はそこで思いついたのです。 リーズナブルなら喜んで参加してもらえるのでは。 学割サービスやってみます! ぜひぜひお気軽にご相談くださいね。

《エンジョイ エイジング》 革も人もエイジングを楽しもう!

私は今年の初めに白髪染めをやめることにしました。20年ほど繰り返し白髪染めをしていたので頭皮のダメージがひどくていっそのことやめてしまいたいとここ数年ずっと考えてました。それにしても接客業でもあるし、子供の学校行事などを考えるとなかなか踏み切れずにいました。子供の卒業、入学が無事に済んだのをきっかけにこれはタイミングかもと思い、一切のヘアカラーをやめることにしたのです。

グレイヘアーとも呼ばれている昨今ですが移行時期が大変とも聞いていたので覚悟はしてました。 率直な感想は本当に楽で楽しんで白髪の自分を受け入れています。こんな事を書くきっかけになったのは、久しぶりに会った近所の方が私の髪の色を見て「なんでそうしちゃったの。まだ若いのに残念ねー」って言われたのです。一瞬えっ?って思ったのですが、好きでやっているからどう言われてもまったく気にしない平気な自分がいました。むしろ良し!って心の中で拳を掲げました。脱皮をした気分です。

人の固定観念というのは面白いものです。人目を気にするとか白髪は老けて見えるとか若作りしなきゃいけないとかそうやって努力することも大切なことかもしれません。でもありのままで無理せず今を楽しんでいる方が私は私らしくていいと思っています。もっと内面を磨かなくてはとアンテナは常に張っております。おばちゃんとはまだ自分で感じてませんがおばちゃんやおばあちゃんに見えたとしたらそれはそれ。

劣化ではなく変化は楽しいものです。 そう思えるようになったのも身近にありのままに美しい先輩方がいたからかもです。 老いていくことに悲観的にならずに日々を楽しめばお金がなくても時間がなくても笑い合える毎日に感謝できています。

革も同じで変わりゆく様子を楽しむこと。 変化の過程を楽しみましょう。

次は歳を隠さず言える人になります宣言です。 大人の女性のたしなみとかまったくなってません。 それはそれで心配でもありますが(笑)これからもアンチ、アンチエイジングで行きますよ。

7月から8月は私達カワリコモノにとって大きな変革期の時期となりました。 というと大げさに聞こえるかもしれませんが 、自己満足だけの製作や販売ではなく良い物を広めていくためにステージを広げていく必要があるのです。

紙袋のような革袋・ワイルドタイプ・エキストララージの9月15日からの出荷に向けてサポートスタッフ増員で製作に励んでおります。

さて9月はさらに微妙に動き続けますよ。 乞うご期待です。