2月は気温の変化が激しい毎日でした。暖かいかと思えば次の日は極寒だったり。目に見えないインフルエンザに脅やかされたり、花粉症予備軍達がビクビクしたり。それも含めて着々と春に向かっているということを紅梅が教えてくれているようなワンショット。
今月の(常連様 FILE No2)
彼を抜きにしては革り小物を語れないという自称、当店の企画開発部長のFさんをご紹介します。趣味多彩な彼はオープン間もなく訪れて、ウチで扱うヌメ革のテイストがお好きで、こういうものが欲しいとオーダーしてくれたものは今では数え切れないほどです。
その筋の専門職の方向けの革小物は、当工房の定番アイテムとなったものもあります。いつもアイデアを型紙に起こして、笑顔でフラリといらっしゃいます。いつか彼の頭の中のアイデアを覗いてみたい。私たちの理想の上司像でもあるのです。
さて、2月の製作は台本カバーやぺたんこトートのセミオーダーから始まりました。
ある日、素材博覧会からの帰り道に中華街まで市場調査へ。驚くほどブームになっていたのは占い屋さんでした。どこも行列。流行るものには訳があるという事で私も人生初の占いへ。ズバッと言われたのは「あなたは1人反省会や自分会議はNG!ドクターストップならぬ占い師ストップです!」と。真に受けてこれからは(も)悩まずあるがままに前進していこうと決意したのです。
私たちはなにかと振り回されやすい。流行りや情勢やら、占い師のその一言にも振り回されてしまうのかもしれません。
サコッシュやウエストポーチが流行ったあとは、巾着がジワジワ来てるみたいですし、ツイードものが流行ったあとは小さなポシェットが流行り、そのせいか長財布よりも二つ折り財布などのコンパクトなお財布が流行しているようです。
革小物も流行に左右されないデザインを求めてくれるのが一番なのですが、結論、流行っている時に作っても遅いのだから、その真逆のデザインを今から進めてみようかと企んでいます。
さて、こちらはヘビ柄のトートバッグを解体して違うバッグにリメイクというオーダー。デザインが降りてくるまでにかなりの時間がかかってしまいました。
トートバッグの本体にヘビ柄をあしらったデザインでしたので、新たに作るバッグはその逆でサブでヘビ柄を使うのが新鮮だとひらめいたのはいいのですが、彼女はオシャレの似合う大人女子。いつもひと味違うものを選ぶ方。レディーライクなデザインのバッグにハードな金具使いやヴィヴィッドなものを普段使いする方でしたので、ここはあえて優しい印象のナチュラルなヌメ革とヘビ柄をミックスして春先に活躍しそうなデザインのバッグにしてみました。
約半年ほどお待たせしてしまったリメイクバッグです。
マチなしですが外ポケットがあり、ちょっとしたお出かけ用にぴったりのさりげなく目を引く仕上がりとなりました。
こちらはバッグのリペアです。
約50センチ角ほどのバーガンディの特大な持ち手くりぬきバッグですが、持ち手の部分が切れてきたので新しい革を巻いて補強。はげた部分は染色し、オイルアップで蘇りました。
鉈ケースのオーダー。
ブッシュクラフトにはヌメ革はベストな相性ですよね。焚き火の煤(スス) や土や油分などで育っていくのでしょうか。
どうぞあなたの相棒としていろんなところへ連れて行ってくださいね。
何度目かの製作になりますが、それにしても大久保さんの泊鉈、貴重なものなのですね。
L字型のお財布のセミオーダー。栃木レザーのボルドーの風合いの経年変化がとても楽しみな逸品に仕上がりました。
ファスナーポーチ。各種大きさが違います。ヴィンテージ風のレザーは最初から使い込んでる感じがカッコイイ。
個人的調べによると身の回りの細かなものを収納する小物入れ(ポーチ)は男性需要が高いようです。
こちらはフルオーダーのトートバッグ。
キューブ型(?)ボックス型(?)幅30センチ×奥行26センチ×高さ26センチというほぼましかく…。ずっと探し続けていた理想の形だそうです。
オールブラックなファッションなのにふんわりとした優しいイメージの彼女にはご希望のタッセルをつけて。
先に納品したのは、シザーロールケース。 黒革にブルーのステッチがアクセントに。
最後はリペアです。何年も前に仕入れ品で扱っていた山羊革のフェアトレードのバッグ。
とても気にいって使っていてくれていたようで嬉しかったです。そこの角の破れは内側から革張りして四隅を補強で縫い、はげた部分を同系色でタッチアップ。オイルインして綺麗になりました。
今月のウエブストアでは、紙袋のような革袋、レジ袋のような革袋のセミオーダーのご注文が続きました。
ありがとうございます。
結び。振り回されやすいという話に戻りますが、時代は映えるかどうからしいですね。
あえて映えない!流行に振り回されない革小物を目指していきますよ。