新連載コラム・小さな革工房物語 2019.01

よくある住宅街の一角にある小さな革工房。そこにやってくるちょっと個性的な常連さんたちとの雑談を少しだけ覗き見していってください。今月から新連載と称してその月のオーダーなどと一緒にアップしていきます。

 

(常連様 FILE No1) 毎日の犬の散歩途中に寄ってくれる美容室の先生とアロちゃん。店に立ち寄ってはくまなく偵察して、異常がないかを調べて納得がいくとすぐ撤収するお店の防犯係です。そんなアロちゃんも歳を重ねていつの間にか私よりも年上に。そのせいか最近では私に対して上から目線なアロちゃんなのでした(今日のわんこ風に)

 

さて、1月の仕事始めは5日からでしたが‥、実店舗のオープンは19日からという半分冬眠状態。オープンしていない日も工房は通常通り稼働していました。冬期休業の今だからこそ集中して製作したり、講習会や営業、仕入れに出掛けたりとなかなか活動的でした。

蔵前にある金具屋さん

 

今年初めのオーダーの納品は特大サイズの白革のバッグ。

紙袋のような革袋のフォルムをベースに内外に合計8個のポケットのご希望でした。白の牛革を1.5枚使用という圧巻の仕上がりです。持ち手は2セットですから‥、ほぼバッグ2台分ですよね。

オーダーから少し期間を戴いてしまいましたが、喜んでくださり何よりでした。

名前を付けるとしたらポケット付きバッグというよりは “ バッグ付きポケット!? ” 完全にポケットが勝っているバッグです。

 

続いてのオーダーは極小のハサミを入れる袋。こんなに小さいのに切れ味抜群の優れもの。道具萌えしてしまいました。

サイズ感がわかりにくいですが、袋の幅が5cm弱ですから、なんともマクロなハサミです。

パスケースのセミオーダー。

 

こちらは腕時計のベルト交換。HERMESのアーネ。

見たことはあるけど交換は初めてでした。ツーリングレザーのナチュラルを手縫いにて仕上げました。

経年変化が楽しみですね。

 

こちらは昨年末にご来店のお客様のオーダー。L字型ファスナーのお財布。

マチがあるので大きく開いて使いやすそうです。

すべて栃木レザー。外革はグリーン。カードケースは赤茶・こげ茶・ボルドーで。コインケースとステッチは赤で。

一見まとまりの難しいカラーリングですが、使われる方のイメージにぴったりの渋い仕上がりとなりました。

 

そしてこちらのセミオーダーは先月、スマホケースとして“ まるでコロッケの袋のような革袋 ”をご注文の方からのリピートのオーダーです。こちら定型サイズの封筒にカードケースを入れたもの。そうです!“ 封筒のようなお財布 ”

ちゃんと郵便番号も入っています(笑) アイデア大賞です。

1月は棚卸も兼ねて革の整理をしながら発注していた革が続々と届き、なんだか年末からずっと大掃除をしているような感じです。それでも新しい革が届くたびにその巻を広げてはスリスリ。次のオーダーに向けて定番アイテムの製作に向けて、妄想を膨らませています。