小さな革工房物語 2019.10

10月に入り、ここ東京では毎週末のように雨が降っています。束の間の秋晴れにはどこかへ飛び出して行きたくなりますが、ありがたいことにウエブストアからのご注文が続き、遠方からのお客様も多くご来店くださり活気良い1ヶ月となりました。

 

(常連様 FILE No10)

暫くぶりに彼女はふらりとやってきた。頼まれていた革紐を編んだものをやっと取りにきてくれた。しばらく来れなかった間の積もる話をしながら彼女はキープしていた革の端切れを眺めながらパスケースとキーカバーを作っていった。そんな簡単に革を組み合わせてサクリと作ってしまうなんて感性で生きている人なんだなぁと思った。

あれは6年前。お店をオープンした数日後のこと。お母さんへのバースデープレゼントにと魚のカービングのウォレットを買ってくれたのは彼女の娘さんだった。その春から小学生になるんだと言っていたのを思い出した。時の早さを感じずにはいられません。

そういえば、この秋、花が散ってから金木犀のピークが終わったのを気付いたワタシです。

 

さて、こちらは包丁ケースのオーダーです。

レザーと帆布の組み合わせで革紐で巻きとめるタイプです。

 

泊鉈ケースのオーダー

手作りですので130匁でも若干サイズの誤差はありますので、現物をお預かりしての製作が確実です。

包丁ケースも鉈ケースもウエブストアにはアップしておりません。気になる方はお気軽にお問合せ下さい。

 

こちらは活躍しそうなアウトドアでスタッフバッグ。バックパックの中に小分けに収納できる角形ポーチです。止水ファスナーが決め手です。

前回に続いて小さいタイプでのリクエストでした。

 

こちらはウエストバッグのようなヒップバッグのような道具袋のような…。

その正体は、台本バッグです。

一年前に1台目を製作。今回が2台目です。

手染めにて仕上げたブラックはよく見るとムラ感もあり使い込んだ時が楽しみな一台でもあります。

 

 

台本カバーのセミオーダー。

グレーの革にイエローのポケットがアンニュイ。

 

 

こちらはお持込みの黒革のトートのリペア。内部の内張りの革が破れてしまっています。

接着にて修復後、破れてくる恐れがあるので両側面にガード的な革張りのボードを上から貼りました。

外装もオイルメンテをしてアップです。

 

ペタンコトートの改良版です。

左側のペタンコトート・ミニが完成してすぐにロングのオーダーをいただきました。

ペタンコといっても底マチが8cmと見た目以上に収納力があるのです。

 

こちらはペタンコトート・ミニにショルダーを付けたセミオーダーです。

ナチュラルのヌメ革にブラックのハンドルとショルダーが渋く決まっています。

 

【今月の紙袋のような革袋のセミオーダー】

ショルダーと開口部にホックを付けたもの。

ほんの少しだけ大きさが違うセミオーダー。作り立てが左側。エイジング後が右側。同じナチュラルでも違う表情です。

牛革で作った、小さめ紙袋のような革袋。内部にオープンポケットとホックをプラスしてます。

脇は手縫いで仕上げていきました。

 

牛革の紙袋のような革袋・A4タテ型のセミオーダー。赤・グリーン・ブラック・イエロー・白の5台は集合するとインパクトありです。

 

【今月のレジ袋のような革袋のセミオーダー】

こうやって見てもサイズ感がわからないものです。

これならどうでしょう。ロングタンクトップサイズほど。 薄手で柔らかなので使い込むと持ち手辺りはヨレッとしてくる…。そうなってくるとたまらないものです。

 

今月はレザーショーを観に行ったり、講習会に参加したり、バスキア展に行ったり、グレイグレイドロウにノックアウトされたりと刺激的な毎日でした。

 

後半は超大型のトートバッグの製作にブラックホールに吸い込まれたように出てこれなくなってしまいました。来月の中旬まで出てこれない予感です。

 

最後に…。

この度の台風15号、19号の被害に遭われた皆様には

心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈り致します。

 

台風19号の去った翌週に世田谷のボランティアセンターへ行ってお手伝いをさせていただきました。多摩川沿いを一歩住宅街に入ると浸水したマンションでは災害に遭った家財の運び出しをやられていました。私も何事も他人事とは捉えずに、今の自分に出来ることを微力ながらやっていこうと思っております。